ランニングを楽しく、快適に行うには、怪我・故障に気をつけるほか、貧血などにも気をつける必要があります。

貧血になりますと、十分なポテンシャルやパフォーマンスを発揮できなくなるほか、めまい、立ちくらみ、頑張りがきかない、すぐに疲れるなど、日常生活にも支障をきたす恐れがあります。

血液検査では貧血のほかに、体の様々な不調を検査することができます。

血液検査はご自身の体調管理のためにも、ランニングを初めて始められるときのほか、ランニングを始められてからも定期的に受けるべきです。

疲れやすい、なかなかランニングタイムが上達しない方などは、貧血のほかに、貧血を調べる項目とは違う項目で悪い数値が出る場合があります。


1.貧血とは

貧血とは、赤血球の数や血中ヘモグロビン濃度などが基準値よりも低い状態を言います。

「貧血」は病名ではなく症状を表す言葉で、病名になりますと「○○性貧血」という名称になります。

ランニングに多い貧血は鉄欠乏性貧血ですが、鉄欠乏性貧血のほかに貧血にはいくつか種類がありますのでご注意ください。

ランニングは、赤血球が運ぶ酸素を介してエネルギー代謝を行う運動と言われていますので、貧血ですと血液中で酸素を運ぶ赤血球、あるいは赤血球の本体であるヘモグロビンの濃度が基準値を下回った状態になり、ポテンシャルが十分に発揮されなくなります。

また、貧血になりますと、血液を少しでも体中に送ろうとして心臓や肺に負担がかかるので、健康な状態よりも疲れやすくなります。

ランニングは大量の汗をかくほか、着地のたびに足裏を走る毛細血管で赤血球が壊れやすく、普段より多くの鉄分が求められます。

女性は、生理があるほか、赤血球の生産を促すホルモン(エリスロポエチン)は、男性ホルモンの一種のため、女性は貧血になりやすいと言われています。

女性の半数は貧血と言われる方もいます。

女性やランニングが上達し走行距離が増えた方などは特に貧血に注意が必要です。


貧血の症状

鉄欠乏性貧血の主な症状は、
・耳鳴り
・めまい、立ちくらみ
・動悸、息切れ
・疲れやすい
・寒さを人一倍感じる
・食欲がない
・顔色が悪い
などが挙げられます。


2.ランニング血液検査について~客観的なコンディション把握~

血液検査は以下の項目などがあります。

各項目ごとに基準値、理想値があり、女性と男性でその基準値、理想値に差が見られます。

ここでは基準値、理想値には触れずに血液検査の主な項目を明記します。

ご自身の状態が正常か否かは、以下で明記する項目以外の項目や各項目との関連も非常に重要になります。

以下の説明や、各項目の基準値や理想値をご自身で調べた結果からご自身の健康状態を自己判断することは控えて、必ず医師の診察、意見、助言を仰いでください。


1.血液検査~貧血確認に用いる主な項目~

・赤血球数(PBC)
・ヘモグロビン(HGB)
・ヘマトクリット(HCT)
・MCV(平均赤血球容積)
・MCHC(平均赤血球ヘモグロビン量)
・フェリチン
など





2.血液検査~肝機能確認に用いる主な項目~

・AST(GOT)
・ALT(GPT)
・γ-GTP
・LDH(乳酸脱水酵素)
・ChE(コリンエステラーゼ)
・ALP(ロイシンアミノペプチターゼ)
・総ビリルビン
・LAP(ロイシンアミノペプチターゼ)
・A/G比(アルブミン・グロブリン比)
・膠質反応(TTT、ZTT)
・色素排泄試験(ICG)
など

肝臓はいろいろなものをタンパク合成したり、解毒作用などをすると言われており、疲労物質なども肝臓に送られるため、疲労が溜まるなどの状態になりますと肝臓に負荷がかかります。


3.血液検査~脂質代謝確認に用いる主な項目~

・総コレステロール(TC、T-Cho)
・HDLコレステロール(HDL-C)
・LDLコレステロール(LDL-C)
・中性脂肪(TG、トリグリセライド)
など

中性脂肪値が高値を示す方の大半は、肥満、食べ過ぎ、運動不足や飲酒と言われています。

高値の状態が続きますと、心筋梗塞、脳梗塞、脳血管障害など、動脈硬化症の病気の原因になると言われています。


4.血液検査~腎機能確認に用いる項目~

・尿素窒素(BUN、UN)
・クレアチニン(CRE)
・尿酸(UA)
・クレアチニン・クリアランス(CCR)
など

腎臓は、血液をろ過し、余分な老廃物や塩分を取り除き、赤血球を作るホルモンを作り、全身に酸素を行きわたらせ、血圧を調整するなどの機能があると言われています。


5.血液検査~膵機能確認に用いる主な項目~

・血清アミラーゼ(AMY)
・ブドウ糖負荷試験(GTT)
など

膵臓は食べ物を消化する“すい液”を作り、十二指腸に送り出す働きや、血液中の糖分の量を調整するホルモンを作り、血液の中に送り出す働きなどがあると言われています。


6.血液検査~栄養状態確認に用いる主な項目~

・血清総たんぱく(TP)
・アルブミン(Alb)
など

血清総たんぱくやアルブミンの値は、栄養状態の目安や肝臓、腎臓などの状態を把握するのに利用されているようです。


7.検査~電解質状態確認に用いる主な項目~

・ナトリウム(Na)
・クロール(Cl、塩素)
・カリウム(K)
・カルシウム(Ca)
など

電解質とは、水に溶けて電気を通すミネラルのイオンのことで、体内の水分量やpHを一定に保ったり、神経の伝達や心臓、筋肉を動かすなどに深くかかわっていると言われています。

血中の電解質濃度に異常がある場合、腎機能やホルモンの働きに異常が生じている可能性があるようです。


8.血液検査~筋肉状態確認に用いる主な項目~

・アルドラーゼ(ALD)
・CK(クレアチンキナーゼ=CPK)

この項目を検査、測定しますと、心臓、筋肉や脳などの異常を調べることや、筋肉組織の損傷の程度や代謝の異常を知ることができるようです。


3.まとめ

いかがでしたでしょうか。

日常のケアや治療のほかに、定期的に血液検査を受けられると、ご自身の状態を客観的に把握し体調を管理する一助になり、体調管理ができる方ほどランニングの上達が早くなります。

血液検査の際は、ランニングに関わる健康状態確認をしたい旨を伝え、医師の診察、意見、助言を必ず仰ぐようにしてください。

貧血などを改善するための食事などは
「ランニングに食事は重要です」
などをご参照ください。

定期的な血液検査を受けられて、健康状態を把握し、安全で快適なランニングが続けられるよう心掛けてください。