ランナーであれば練習前にウォームアップはすると思いますが、クールダウンをしている人はどれだけいるでしょうか。

練習前はケガを気にして入念にウォームアップをするのに、終わったとたん面倒になってしまってそのまま、という場合も多いように思います。


1.クールダウンはなぜ大切なのか

マラソンのゴール後や練習後には、なぜクールダウンを行ったほうがいいのでしょうか。

疲労回復のためと言えばその通りですが、それならしっかりとした食事でもいいし、何よりもよく寝ることのほうが大事と言えそうです。クールダウンの目的は主に2つあると言えます。

まず1点目は血液循環を正常にキープして疲労物質を除去すること、2点目としては呼吸を整えることです。


2.疲労物質=乳酸ではないけれど

疲労物質というと、乳酸を思い浮かべる人も多いと思います。確かに疲労の目安としては、血液中の乳酸の濃度が使われることがよくあります。

そして実際に、ある程度激しい運動をした後に会話を続けられる程度のごくごく軽い運動、つまりクールダウンをすると、しない場合に比べて乳酸濃度が速やかに下がるという結果が実験で確認されています。

ただし近年の研究では、乳酸は疲労物質ではなくエネルギー源だと捉えられるようになってきており、疲労物質とは何かが改めて問われているようです。

ですので、正しくは「乳酸濃度を早く下げれば、それだけ疲労物質を早くなくすことにつながる」と考えるとよいでしょう。





3.呼吸を少しずつ落ち着かせていくことの意味

クールダウンとは軽い運動のことです。ですので、呼吸を整えるために運動するというと、不思議に思う人もいるかもしれません。

ですがこれはとても大事なことです。私たちランナーで言えば、激しいランニングの後は呼吸が荒くなっています。

ランニングを終えて運動をしていない状態でのこの荒い呼吸は、二酸化炭素を体から過剰に排出することにつながります。

そうすると体内がアルカリ性に傾いて、頭痛やめまい、けいれん、時に失神などを起こすこともあり危険です。

クールダウンは、ランニングが終わった後の呼吸を徐々に落ち着かせていくことで、体を危険な状態に陥らせることなく、疲労を回復できる状態へスムーズに持っていくことができます。


4.クールダウンの正しい方法

このように考えると、クールダウンをどのように行えばよいかも分かってきます。

まずは、「今日は良い練習ができたね」などと会話できるくらいの、ごくゆっくりとしたペースでジョギングをすることです。一人の場合は実際には話せませんが、そのくらいのイメージでのんびり行いましょう。

もう一つのポイントは、マラソンや練習のゴール後に、そのまま続けてクールダウンを行うということです。

全力でゴールした直後は苦しいので、「クールダウンは呼吸が落ち着いてから後でやろう」と思いたくなりますが、それでは意味がありません。

まさに呼吸をスムーズに落ち着かせることが、クールダウンの目的の一つです。このように目的を意識した方法で、効果的にクールダウンを行っていけるとよいでしょう。