マラソンもある程度練習を積むと、タイムが頭打ちになることがあります。

その打開策としてよく挙げられるのがインターバルトレーニングですが、どんな練習なのか、また「本当にマラソンの役に立つのか」というあたりも含め、ここで改めてまとめてみましょう。


1.インターバルトレーニングとは

インターバルトレーニングとは、全力に近いスピードで走る急走期とゆっくり走る緩走期を繰り返すトレーニングです。

このトレーニング方法が広まったきっかけは、チェコスロバキアの長距離ランナー、ザトペックの活躍です。

ザトペックは1952年のヘルシンキオリンピックにおいて男子5000m、10000m、マラソンの3種目で優勝した選手で、必死の形相で走る様子から「人間機関車」と呼ばれていました。

彼が行ったインターバルは、400mの全力走を、200mのジョギングを挟んで、なんと100セットも繰り返すものだったと言われています。


2.インターバルトレーニングの効果

インターバルトレーニングはスピードを強化するトレーニングの代名詞のように言われています。

ただしマラソンで言うところのスピードとは、100m走の選手たちに見られるような瞬発的なスピード、つまりスプリントのことではありません。

あくまで有酸素運動の範囲内でのスピードのことです。ですので、インターバルトレーニングの効果を生理学的に説明すると、「最大酸素摂取量の向上」ということになります。

少し理論的な話になりますが、最大酸素摂取量は持久力を表す一つの指標です。

私たちは運動すればエネルギーを消費しますが、そのエネルギー消費量は酸素摂取量と比例します。

つまり運動が激しくなればなるほど、酸素をたくさん取り込まなければいけなくなるということです。

しかしどんどん運動強度が上がっていくと、どこかでもうそれ以上、酸素摂取量が増えないポイントがやってきます。




どれだけ呼吸をゼエゼエ言わせても、それ以上酸素を取り入れることができないという状態です。

これが最大酸素摂取量です。つまり最大酸素摂取量が向上すると、その分、さらに高い強度で運動を継続することができるようになるわけです。

これが、インターバルトレーニングを行うと、今までより速いスピードで長距離を走れるようになる理由です。


3.インターバルトレーニングの実際

さて、実際のインターバルトレーニングはどのように行っていくのでしょうか。さすがに、ザトペックのように400mを100本も繰り返すのは尋常ではありません。

一般的には400m全力走+200mジョグを10本、あるいは1000m全力走+400mジョグを5本、などというような組み合わせがよく紹介されます。

中にはこのようなメニューを、「5㎞や10㎞などの短いレースには有効だが、マラソンには意味がない」とする声も聞かれますが、ここではそのスタンスには立ちません。

なぜなら、今やマラソンの世界も、トラックレースでスピードを鍛えた選手がどんどん活躍する時代だからです。確かに上記のようなメニューは、5㎞や10㎞などの短いレース用としてよく用いられます。

しかし5㎞、10㎞のタイムが上がれば、それをベースにして、より長い持久走の設定タイムも上げることができます。そうすれば結果的に、今までより質の高いマラソン練習ができるようになるのです。

もちろん400mや1000mではなく、2㎞や5㎞を数回走るインターバルメニューを組めば、よりマラソン本番に近い、苦しくても粘り強く走る練習としてインターバルトレーニングを行うことも可能でしょう。

インターバルと一言で言っても、急走期と緩走期の組み合わせ方によってバリエーションは様々です。慣れてきたら自分なりの意図を持ってメニューを組んでみると、また新たな練習の楽しみ方ができるでしょう。