ある程度マラソン練習を積むと、多くの人が自分の走り方を気にするようになります。

速い人のランニングフォームを見て、「自分もあのように走りたい」と思ったことのある人は多いでしょう。

今回はピッチ走法とストライド走法について考えてみたいと思います。


1.ピッチ走法とストライド走法とは

マラソンには大きく分けてピッチ走法とストライド走法があります。ピッチ走法とは、ストライドと言われる歩幅を狭くして、その分足の回転数、つまり回転のピッチを上げて走る方法です。

逆にストライド走法とは、足の回転数はそれほど多くないですが、歩幅を大きく取って走る方法です。

ですが、身長が高ければその分ストライドは伸びますし、逆に小柄な選手が大柄な選手と同じスピードで走ろうとすれば、どうしても足の回転は速くなります。

何となく見た目で「あの選手はピッチ走法だ」などと言われることもありますが、よく考えると身長に対するストライドの比率は大きかった、ということもあります。

実は「走法」などと言われているわりに、両者の区別はあいまいなのです。


2.マラソン指導者に見られる「ピッチ走法派」と「ストライド走法派」

フルマラソンをテレビで見ていると、「この選手はストライドが大きいので、後半落ちてしまわないか心配です」などと解説されているのを聞いたことはないでしょうか。

これまでストライド走法は、一歩ごとに地面を蹴る力を使うので疲れやすいと言われてきました。ですが最近は、「ストライド走法のほうがいい」とする解説も見られます。




その根拠は「ピッチ走法にすると足が地面に接している時間が長く、それだけ筋力を使う時間が長くなって疲れやすい」というものです。


3.結局のところ、自分に合った走り方が大事

ある研究で、世界大会で100m走の決勝に残った選手のピッチと、子どもが全速力で走っている時のピッチを比べるという試みがされました。すると、どちらも最大の回転数は変わらなかったそうです。

つまり、ピッチはどこまでも上げられるわけではなく、またトレーニングによって上限を上げられるものでもなさそうだということになってきました。

同じく、ストライドもどこまでも広げられるものではないということは、一般人が想像してもイメージしやすいでしょう。

要するに、ピッチもストライドも、どちらかだけを偏重することはできないのです。結局は、自分に合ったバランスが大事ということになります。

そうは言っても、多くの人は何が自分に合った走り方なのか分かりにくいでしょう。

そこで目安として、お尻の筋肉や太ももの裏のハムストリングスが疲れるかどうかで考えてみてください。これらは足を後ろに引くときに使われる筋肉です。

ランニングでは、地面を押して体を前に運ぶ筋肉として使われます。練習後や翌日にこれらに疲労感があれば、練習でよく使えていた証拠です。

逆に太ももの前やふくらはぎなどが疲れていれば、違う筋肉で無理をしていたと考えることができます。

ランニングでは本来の役割にしたがった筋肉をきちんと使えているかどうかのほうが大事です。

自分の走りがピッチ寄りなのかストライド寄りなのかということは、その結果として付いてくるだけのものだと考えるとよいでしょう。