フルマラソンにエントリーするとき、コースが平坦かどうかを確認してレースを選ぶことがよくあります。

また普段のランニングでも起伏のあるコースは避けて、なるべく平坦な道で練習しているという人も多いでしょう。今回は坂道の走り方を考えたいと思います。


1.上り坂の走り方

まずは上り坂の走り方を考えてみましょう。上り坂でよく見られるのは、腰が引けてしまっている走り方です。いわゆる、へっぺり腰でのランニングです。

これは体を前に持っていこうとするあまり、体が腰のところで「く」の字に曲がってしまっていることから起こります。

また上り坂を走ろうとすると、どうしても足を持ち上げて前に出そうとします。ですので、よけいに腰が曲がりやすくなるのです。

腰を曲げると足を持ち上げやすくなるのは、例えば椅子の座り方を変えて、足の持ち上がりやすさを比べてみるとよく分かります。まずは椅子に浅く座ります。

そこから背もたれに背中を付けてふんぞり返った状態と、背中を付けずに骨盤を起こし背筋を伸ばした状態で足を持ち上げてみると、ふんぞり返っているほうが上がりやすく感じるはずです。

骨盤を起こす感覚が分からない人は、お尻の下の少し後ろのほうにタオルを丸めて敷くと分かりやすいでしょう。

このように考えると、上り坂の走り方のポイントはシンプルに一つです。それは体を前に倒す時に腰で曲がらないようにすること。




あまり前に倒せないと感じると思いますし、足も以前より前に出しにくく感じると思います。ですがその方が、へっぴり腰で走るよりも重心は実は前にあるのです。


2.下り坂の走り方

反対に下り坂の走り方はどうでしょうか。下り坂でよく見られるのは、逆に上半身をのけ反って大股でズシンズシンと駆け下りてくる走り方です。

これは腰や膝にとても負担のかかる走り方です。続けていると故障につながる可能性が高いと言えます。

下り坂なので体をあまり前に傾ける必要はありませんが、極端に腰を反った走り方をするのは避けたほうがいいでしょう。

またスピードを出してタイムを稼ぎたいという気持ちで、一歩一歩を大きく取って走るのも危険です。

強く地面を蹴らなくても重力の影響で自然にスピードは上がるので、心持ちストライドを狭めて、重心が落ちていくのに合わせて足を置いていくようなイメージで走るとよいでしょう。

上りと下りに分けて坂道の走り方を見ましたが、ポイントはそれほど多くありません。

坂道でも平地でもランニングフォームは人それぞれで、細かいところまで「こうしなければいけない」と決まっているものではありません。

とはいえ、やはり実際には坂道を何度も走ってみないと、効率的で安全な走り方は身に付きません。

マラソン本番の前に普段の練習からなるべく坂道を取り入れて、自分にあった坂道の走り方を探していきましょう。