ランニングフォームについて、「骨盤を前傾させて走ろう」と言われたことのある人は多いと思います。

しかしそもそも骨盤とは何か、骨盤はランニング中にどんな動きをしているのか、知っている人は少ないのではないでしょうか。


1.骨盤はどんな骨で、どう動いているの?

そもそも骨盤はどこにあるのでしょうか。改めて聞かれると分からないという人は、わき腹に手を当ててみてください。

そこから下に手を下げていくと、腰の辺りで骨が出っ張っている部分にぶつかると思います。

実はこれが骨盤の上のラインです。骨盤の下側はなかなか触りにくいのですが、例えばお尻の割れ目の上にある尾てい骨、実はこれも骨盤の一部です。

骨盤は、本当は一つの骨ではなくて、たくさんの骨が連結してできています。全体としてお椀のような形をして、上半身と下半身のつなぎ目になっています。

歩いたり走ったりする時、上半身と下半身は交互に捻じれて動きますが、そのつなぎ目である骨盤も、脚を交互に前に出すのに合わせて左右に回転しています。

また着地に合わせてわずかに傾いてもいます。一回のマラソンレースで何万歩と脚を出す間、骨盤はこのような動きを繰り返しているのですが、普段私たちは骨盤の動きなどほとんど意識していません。

そもそも骨盤と胴体を合わせて一つの塊のように感じている人も多いと思います。


2.前傾姿勢と後傾姿勢

そのような中でも、骨盤の動きを意識できる場面もあります。それは練習中ではなく生活の場面です。




例えばデスクワークをしている時、ほとんどの人が猫背になっているでしょう。この時、骨盤は必ずと言っていいほど後傾しています。

ずっと作業を続けて腰が痛くなってくると、私たちは背もたれから背中を離して、上へ上へと伸びをするでしょう。

すると腰周りは背中側がキュッと縮まって、お腹が前に出るような格好になりますが、この時骨盤は前傾しているのです。

このように考えると、私たちは仕事や勉強をしている時、電車に乗っている時、食事をとる時、一日の中で後傾姿勢を取っている時間が圧倒的に長いことに気付きます。

後傾姿勢は猫背につながるので、走るのには当然不向きです。そういう人のランニングフォームを見ると、膝下でちょこちょこ走っているような格好に見えます。

「骨盤前傾」は、それを解消させるために強調されるというわけなのです。


3.生活の中で骨盤を意識しよう

骨盤前傾を意識するためには、椅子に座っている時、タオルを丸めてお尻の後ろ半分に敷いてみよると良いでしょう。

それだけで骨盤が前傾しやすくなって、背が高くなったような印象を感じる人もいると思います。

ただし練習の最中にあまり骨盤前傾を意識する必要はありません。ほとんどのランナーは、前傾させたフォームを意識するあまり、骨盤ではなく腰を前に反ってしまいやすいのです。

その状態でマラソンのような長丁場を走っていると、逆に腰痛の原因になってしまいます。あくまで生活の中で、骨盤が前傾している感覚を少しずつ身体に染み込ませていけると良いでしょう。