フルマラソンを走る場合、目標タイムがどの程度かに関わらず、たいてい数か月間の練習期間を経て本番のレースに臨むことになると思います。

一生懸命練習してきたからこそ、前日という大事な一日をどう過ごそうか気になってしまう人も多いでしょう。


1.テーパリングという考え方

まず大前提にしなければいけないのは、マラソン前日にまでなってもまだ実力を上げようとするのは不可能だということ。

ここまで来たら、今までの練習で付けてきた力を翌日存分に発揮できるように、コンディションを整えることが全てです。

これをピーキングとかテーパリングなどと言います。最近は後者が用いられることが増えてきています。

どちらにしてもこれらを一言で言えば、「徐々に練習量や強度を落として、当日に向けて調子を合わせていく」という作業になります。


2.「走る」派と「走らない」派、それぞれの理由は何?

テーパリングの方法は人によって様々ですが、マラソン前日の練習について言えば、大きく「走る」派と「走らない」派に分かれます。

「走る」派と言っても、もちろんガンガン追い込むようなランニングをするわけではありません。

20分から90分と専門家によって考えに幅はありますが、ゆっくりとしたジョギングにとどめる場合がほとんどです。

走る理由としては、一つには前日に軽い刺激を入れることで、筋肉の張りなど調子を確認することができるということ。

もう一つは、前日に走って少し脚を重くしておくことで、当日についついハイペースで飛ばしてしまうのを避けるためということです。




このようなスタンスに立つのは経験豊富な現場の指導者に多い傾向があります。一方で「走らない」派にも理由があります。

それは、レース直前に練習を控えめにして前日も走らなかったからといって体力がすぐ落ちることはなく、むしろ疲労回復効果のほうがプラス材料になる、ということです。

こちらは研究者などに多い考え方です。


3.自分だけのテーパリングを行おう

いずれにしても、どちらかが絶対に正しいというものではありません。問題は、あなたがどちらのスタンスのほうが自分に合うと考えるか、ということです。

例えば多くの場合、マラソン大会は日曜日に行われますが、前日も仕事がある人なら、無理にジョギングをするより早く寝たほうがよほど良いかもしれません。

逆に、普段から「長くランニングをする日の前日は軽いジョギングで足慣らしをしていた」という人なら、本番でもいつも通り前日に軽く走ったほうがコンディションを整えられるかもしれません。

自分がどんな生活スタイルでどんな性格か、どんな練習をしてきたかなどということを総合的に考えて調子の波を高めていくのが、まさにテーパリングなのです。

いずれにしても、「自分はなぜ前日にこのような調整方法を選んだのか」ということを意識しておくと、「やるだけのことはやった」と覚悟を決めることができるはずです。

誰にでも当てはまる絶対的な正解はないのですから、自分自身の考えにぜひ自信を持って当日を迎えてください。