初めてフルマラソンを走る人にとって、42㎞という道のりは途方もなく長い距離に感じることでしょう。

物事は一歩ずつ進むことが大事と言いますが、初心者がフルマラソン完走を達成するためには、どんな練習を積んでいけばいいのでしょうか。


1.初心者の目標は「とにかくギリギリでもいいからフルマラソン完走!」

何かにチャレンジするとき、それが未経験のものであればあるほど不安が生じるものです。

「これをやれば絶対に完走間違いなし」という練習があれば安心なのですが、人によって前提となる体力も目標までの期間も様々で、残念ながらそのような練習を提示することは誰にもできません。

ですので、ここでは何か条件を設定して話を進めたいと思います。

例えば日本で一番大きな大会である東京マラソンの場合、一般エントリー開始から本番までの期間は約7か月、本番の制限時間は7時間です。

これを例に取って、目標を「社会人以降運動経験なしの初心者が、本番まで7ヶ月、7時間以内で完走」としてみましょう。


2.「ギリギリ完走」の実際のペース

7時間で完走となると、1㎞当たりのペースは約9分57秒です。これがどのくらいのスピードかイメージできるでしょうか?

ちなみに不動産の徒歩所要時間を表すときのスピードが分速80m、つまり10分で800mです。

したがって7時間でフルマラソンを完走するということは、だいたい早歩きと同じか、それより少し速いくらいのスピードで42㎞を走るということになるわけです。

ただし早歩きのスピードで走り続けることは難しいので、実際にはウォーキングとランニングを混ぜながら42㎞進むということになるでしょう。


3.最初の1か月はウォーキングが中心

そうすると練習は、まずはランニングではなく長時間のウォーキングが主体になります。特に時間の取れる週末は、2~3時間のウォーキングでしっかりと基礎体力を付けておきたいものです。

これまで特に運動をしてこなかったのであれば、体重を落とす必要がある人も多いでしょう。

ですので平日にも1回30~40分程度のウォーキングを行い、休日と合わせて週3~4回ほどの練習を行いたいところです。


4.2~3か月目はランニングを始めよう

1か月ほどしっかりとウォーキングを行って体重を落とし、脚力も付けたら、少しずつランニングも開始しましょう。




同じく週3~4日の練習で、この中に1回30~40分ほどのランニングを週に1~2回ほど入れて、少しずつ走ることに慣れていきます。

もちろん速く走る必要はまったくありません。ランニングというよりジョギングです。初めは10分で疲れてしまっても構いません。

ある程度の期間をかけて、少しずつジョギングの時間や頻度を増やしていけば大丈夫です。


5.4~5か月目はいちばん追い込む時期

走ることに慣れてきたら、いよいよマラソンにつながる長時間のジョギングを行いましょう。目標は90分から120分のジョギングです。この場合も突然時間を伸ばすのではなく、徐々に長くしていきましょう。

週末を利用して行うことになるかと思いますが、できれば平日も30~60分ほどのジョギングで体力を付けていきます。

ここはフルマラソン完走に直結する体力づくりの時期ですが、それだけに故障するリスクも高くなると思います。

少しでも違和感を覚えたら、ランニングを変更して以前のウォーキング、または自転車や水泳に切り替えてください。場合によっては思い切って休むことも必要でしょう。

本番が近くなってくればくるほど、故障をすると復帰してからリカバリーする時間が少なくなってしまいます。自分を追い込みながら、かつ慎重に練習を進めていきましょう。


6.最後の2か月間は総点検

最後の2か月間は、事前の計画はあえて立てません。なぜかというと、これはアクシデント対応のための期間だからです。

半年以上も練習期間があれば、雨続きで練習できなかったり、途中で風邪をひいたりすることもあると思います。

またいくら慎重に練習を進めていても、時には疲労によるケガや痛みで走れない時期が生じる可能性も十分あります。

そうして練習が遅れがちになってしまったときに、この余白の2か月間を少しずつ使っていきます。

さて、最後まで読み進めてきてくれた人の中には、「本当は練習量を走行距離で知りたかった」という人もいることでしょう。

ですが最初にお話した通り、初心者がフルマラソンを完走するということは、実際には「歩いたり走ったりしながら42㎞進む」という運動になります。

特に序盤の練習はウォーキングが主体になります。ランニングだけが練習だと思わずに、ウォーキングも含め生活の中の運動すべてをトレーニングだと思って取り組んでください。