市民ランナーも実力が上がってくると、お互いの身体を見ただけで相手の実力がある程度分かるようになってきます。今回はランニングと腹筋の関係について考えてみましょう。


1.マラソン選手は細マッチョ

皆さんは、オリンピックなどの世界大会に出てくるようなマラソン選手の体格に、どんなイメージがありますか?一般的には、とにかく痩せているというイメージがあるかもしれませんね。

ですが、実は彼らの腹筋は見事に割れています。いわゆる「シックスパック」という状態です。

マラソン選手は通常、ダンベルやバーベルを使ったウェイトトレーニングを取り入れることはあまりありません。

筋力トレーニングを行うとしても、自分の体重を用いた自重トレーニングが多いでしょう。

確かに以前、2004年のアテネオリンピックで優勝した女子マラソンの野口みずき選手が積極的にウェイトトレーニングを取り入れていて、話題になりました。

しかしそのようなニュースが話題になるのも、逆に言えば、それだけマラソン選手がウェイトトレーニングを取り入れることが珍しいということでもあります。


2.マラソン選手と好対照な力士

腹筋の筋力トレーニングを積極的に行っているわけではないのに腹筋が割れているのは、どうしてなのでしょうか。

突然ですが、ここで大相撲の力士を思い浮かべてみてください。彼らは毎日ハードな稽古をこなしています。全身の筋量は相当なものです。

それなのに、腹筋が割れている力士を私たちは見たことがありません。それは腹筋を脂肪が取り巻いているからです。




実際にはとてもたくさんの筋肉を持っているはずなのに、その周りに分厚い脂肪の層があるので、腹筋が隠れてしまっているのです。


3.ランニングをするとなぜ腹筋が割れるのか?

さて一方、マラソンは言うまでもなく有酸素運動ですので、エネルギー源として脂肪を積極的に使います。

したがって練習量が増えていくと、その効果の一つとして体脂肪率はどんどん落ちていきます。

もちろん、腹筋の周囲にあった脂肪もどんどん燃焼して減っていきますので、自然と腹筋が表面から見て分かるようになってくるのです。

そういう意味で言うと、確かにランニングは腹筋を割るのに効果的だと言えそうです。しかしそれは、ランニングをすれば腹筋が付くということではありません。

あくまで、今まで見えなかった腹筋が見えるようになってくるというだけで、ランニングという運動が腹筋の筋力トレーニングになっているわけではないのです。

ただし、ランニングには腹筋も当然必要になります。腹筋が弱いと、特にマラソン後半の疲れてきた時に姿勢をキープすることができません。

ランナーにとっては、一回で大きな力を発揮する腹筋ではなく、弱い力であっても長時間力を発揮し続けられるような腹筋が必要なのです。

ウェイトトレーニングの効果は主に最大筋力を上げることなので、ランナーがあまり取り組まないのもうなずけるでしょう。

その代わり、ウェイトトレーニングのイメージはないマラソン選手も、スタビライゼーションや体幹トレーニングは積極的に行っています。

ランニング以外の練習にも目を向けて、総合力を上げていくようにしましょう。