腰痛が他のランニング障害と違うのは、それがスポーツによる障害ではなく生活習慣からくる障害だという側面を持っていることです。

ですので、ランニングを中止すれば腰痛が次第に改善するかというと、なかなか難しいものがあります。


1.腰痛の根本的な原因は不良姿勢

例えば私たちの普段の姿勢を考えてみてください。家事でも仕事でも勉強でも、あるいは現代人の生活を象徴するような携帯電話を操作している時でも、基本的に私たちは自分の体の前で何らかの作業をしています。

その時、腰はどうなっていますか?そうです、丸まっていますね。これは腰にとても負担のかかる姿勢なのです。

私たちの背中には背骨が通っていますが、背骨は一直線に首から腰まで降りているわけではありません。前方や後方に弯曲しながら、全体としてS字のようなカーブを描いています。

これは、もともとは四足歩行だったヒトが二足歩行になったために、重力に対抗して体重を支えようとして脊柱が遂げた進化なのです。

しかし腰を丸めてしまうと、このS字カーブが一直線のような形になってしまいます。そのため衝撃をうまく吸収できず、負担がかかってしまうのです。

ちなみに、特に中高年ランナーなど、腰が丸まった姿勢のままマラソンを走っている光景をよく見かけますが、それは「一直線の脊柱」「ランニングによる大きな衝撃」のダブルパンチで、腰にとっては非常に無理のある運動と言えます。


2.腰痛の解消には正しい姿勢とストレッチ

ですので、腰痛を解消するまず第一歩は、この腰や背中の丸まった不良姿勢を正すことから始まります。




家事をするときは膝を使ってなるべく腰を丸めないようにする、デスクワークでは椅子やパソコンの高さを調節する、携帯電話はなるべく目の高さで持って操作するなど、いろいろな工夫ができるでしょう。

また腰を反らすストレッチも非常に有効です。これはマッケンジー法と言われる方法で、床にうつ伏せに寝そべって、腕の力だけで上体を反らせていくのが一つの基本ポーズになります。

くれぐれも背中やお尻はリラックスして行ってください。5秒ほど反らせたら元に戻って再度リラックスし、もう一度繰り返しましょう。

ストレッチというと筋肉を伸ばすというイメージが強いかと思いますが、この場合、腰周りの筋肉を伸ばすことは逆効果です。

腰が丸まっているということは、普段、私たちの腰周りの筋肉は無理に引き延ばされていることになります。

ですので、一日の中で意図的にそれらの筋肉を縮めてあげて、バランスを取ってあげるのです。確かに従来、腰痛には前屈、つまり腰を丸めるのが一般的な指導法でした。

しかし近年はその常識が変わりつつあります。中には前屈が有効な場合もありますが、腰が丸まっている現代人にとっては、多くの場合腰を反らせるストレッチのほうが当てはまる確率は高いと言えます。

もちろん、自分に合わない、何かおかしいと感じたら、無理をせず医療機関を受診することが大切です。悪化させれば練習を長期間休まなければならなくなってしまうこともあり得ます。

マラソンは継続した練習がとても大事です。普段から自分の身体のサインを感じ取ってケアをしていきましょう。