マラソンの練習はどうしてもランニングがメインになりますが、走っているばかりでは故障の原因を作っているようなものです。

今回は身体のケアとして、ランニング後のストレッチを考えます。


1.多くの人がストレッチを行わない理由

「あなたは練習をするときに準備運動はしますか?」こう聞かれたら、恐らくほとんどのランナーが頷くでしょう。

ストレッチや体操、軽いジョギングなど、それぞれランニング前に決まって行うメニューがある人も多いと思います。

ですが逆に、ランニング後にストレッチをしているかと聞かれると、苦笑いをしてしまう人も多いのではないでしょうか。

ストレッチが大事だということは、おそらく誰でも知っている常識的な知識のはずです。でも、ストレッチがなぜ体に良いのか、ほとんどの人がいまいち理解していないのではないでしょうか。

ランニング後のストレッチがなかなか習慣にならないのは、このようなところに原因がありそうです。


2.マラソンの後の筋肉はどうなっているか

マラソンを走ると私たちはたいてい体中が筋肉痛で、まともに動けなくなってしまいます。

現在スポーツキャスターとしても活躍中の高橋尚子さんは、現役時はレースの翌日から練習を開始していたそうですが、私たちはとてもそうはいきません。

少し細かい話になりますが、マラソン後の筋肉を顕微鏡で観察すると、通常は整列している筋肉の細胞が損傷されて、乱雑になっているそうです。

これは激しい練習をした時も同じで、損傷がひどくなると腫れや痛みが生じ、筋肉痛の原因になると考えられています。





3.ストレッチは筋肉のポンプ作用を促す

損傷を受けた筋肉を回復させるには、疲労物質を筋肉から血流に乗せて早く取り除いてあげなければいけません。

これは普段でも同じことで、日常生活でも、私たちの身体では朝起きた時から少しずつ疲労物質が発生しているはずです。

ですが通常の生活であれば私たちがひどく疲れたりしないのは、筋肉が伸び縮みすることで疲労物質を血液に送り込んで取り除いてくれているからです。

これを筋肉のポンプ作用と言います。ところが腫れや痛みを生じている筋肉は短縮したままになって、血流がスムーズに流れるのを妨げる原因になってしまいます。

そこでストレッチをして筋肉を伸張させてあげると、再び血液の循環が促進されて、疲労物質を早く取り除くことができるようになるのです。


4.ストレッチの効果的な方法

このような作用が分かってくると、今までよりも丁寧にストレッチの時間を取ろうと思う人も増えてくるのではないでしょうか。

ところがランナーはたいてい努力家なので、ストレッチも頑張って力んでしまう人をよく見かけます。

ストレッチは頑張って行う練習とは違うので、リラックスが基本です。目安としては、かすかに痛いかどうか、というくらいを感じ取ってみてください。

そしてポイントは、決して呼吸を止めないことです。私たちは力んでいる時、たいてい息を止めています。

自分がリラックスしているかどうか分かりにくいときは、伸ばしたところで一度、「ふぅー」と大きく息を吐いてみましょう。

きっと、今まで無意識に力んでいたことに気付きやすくなると思います。