市民ランナーがランニング障害に悩まされる最も多い関節は膝、最も多い筋肉はふくらはぎと言われます。

障害というほどにまで至らなくても、普段からふくらはぎの張りを感じているランナーは多いでしょう。


1.ふくらはぎが張るってどういうこと?

そもそも、ふくらはぎが張るとはどういうことで、ふくらはぎで何が起こっているのでしょうか。実はふくらはぎの筋肉は一つではありません。

よくまとめて下腿三頭筋と言われる腓腹筋やヒラメ筋以外にも、足底筋、後脛骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋など、たくさんの筋肉で構成されています。

そしてこれらの筋肉は、筋膜と言われるカバーのようなもので、いくつかのまとまりに分かれています。ちょうど海苔巻きのように、たくさんの具材が海苔で巻かれているような恰好です。

そしてこの囲まれた中の圧力が何らかの影響で高まると、それが張りとして感じられるようになるのです。これを専門的にはコンパートメント症候群と言います。

コンパートメント症候群には急性のものと慢性のものがありますが、マラソンのような長距離ランニングによって「いつ頃からか覚えていないけど最近張っているな」と感じるのは、慢性的なタイプです。


2.張りをそのままにしているとどうなるの?

ふくらはぎの張りは多くのランニング障害と違って、それが起きたからといってすぐに走れなくなるものではありません。




それだけに、熱心な市民ランナーの場合はあまり気に留めないで練習を続けてしまうことも多いようです。ですが、張りは悪化すると痛みに変わります。

また筋膜は筋肉だけでなく血管や神経も一緒に包んでいるので、その他にも様々な症状が出てきます。

例えば血行が阻害されて皮膚が紫色になるチアノーゼと呼ばれる症状が表れてきたり、触られた感覚が分かりにくくなったり逆に過敏になったりする感覚障害が出てきたりします。

そこまで悪化させるとマラソンどころの話ではなくなってしまうので、早めの対処が必要です。


3.ふくらはぎの張りを解消させるには

張りの解消としては、まずは練習量を抑えましょう。走る距離を短くしたり、ペースを落としたりして調節します。加えて、練習後は必ずアイシングを行いましょう。

そもそもトレーニングとは筋肉を微細に傷つけて炎症を起こしているようなものです。張りや痛みは炎症反応の一つですが、アイシングはこの炎症を抑えるのに効果的です。

また痛みの引き具合を見ながら、ふくらはぎのストレッチを行いましょう。ストレッチには血行促進効果があり、また再発予防としても効果的です。

いずれにしても、張りが生じているということは練習とケアのバランスが崩れているということです。一時の走りたい気持ちをグッと抑えて、症状が消えてからまた練習強度を上げていきましょう。