ランニングによる障害というと「痛み」をすぐに思い浮かべる人が多いかもしれませんが、場合によっては足に「しびれ」が出てくることもあります。

悪化する前に早めの対処を心がけましょう。


1.そのしびれ、坐骨神経痛かもしれません

ランニングは足を使うスポーツなので、その障害も足首、足裏、ふくらはぎ、膝など、下半身に集中しています。

ただし、どれにも共通している症状は、普通はどこか特定の場所が痛むということです。

ところがしびれは少し様子が違います。足の1か所だけがしびれるということはあまりなく、お尻の下からつま先にかけて、広く全体的にしびれが走るということがほとんどです。

このような時は、筋肉が炎症を起こしているというよりも、神経に問題があると考えるほうがよいでしょう。

可能性が高いものの1つに坐骨神経痛があります。坐骨神経痛はその名の通り坐骨神経による痛み、つまり、坐骨神経が何らかの原因で圧迫されて生じているしびれや痛みを指して言います。


2.坐骨神経痛が生じる原因は様々

坐骨神経痛の原因にはいろいろなものがあります。そのうちの一つが梨状筋症候群です。

梨状筋はお尻の筋肉の一つですが、マラソンなど過度に足を使うスポーツを続けていると、梨状筋が緊張して坐骨神経を圧迫することがあります。

練習量が急に増えた時にも起きやすいでしょう。これは年齢を問わず起こりうる障害です。




一方、腰部脊柱管狭窄症も坐骨神経痛を引き起こすことがあります。腰部脊柱管狭窄症は、脊髄という大きな神経の通り道である脊柱管という管が狭くなって、脊髄を圧迫することでしびれや痛みを生じます。

坐骨神経は、大元は脊髄から分かれている神経なので、坐骨神経痛が生じることもあります。

こちらは加齢とともに発生しやすくなるパターンですが、症状が軽いうちは、練習中にしびれを感じても、一度立ち止まって前かがみになるとまたランニングを再開できるようになることもあります。


3.原因によって対策は変わってくる

このように、一言でしびれと言っても、その原因は様々です。したがって、その解消法も原因によって変わってきます。

梨状筋症候群によってしびれが生じている場合、お尻周りをマッサージしてあげることが効果的です。

お尻は体の裏側にあるので手でマッサージしようとすると大変ですが、テニスボールを使うと手軽に行えます。

テニスボールを床に置き、その上にお尻で乗ってテニスボールを押し付けて転がすように動かすと、楽にほぐすことができるでしょう。

一方で腰部脊柱管狭窄症は、背骨を構成する骨である椎骨やその間に挟まれている椎間板などが、加齢とともに変性して起きるものです。

これを自分だけのケアで済ませるのは危険です。悪化させると日常生活にも支障をきたすようになり、マラソンどころではなくなってしまいます。

お尻をマッサージしてみて、それでも症状があまり変わらない場合は、早めに医療機関を受診して医師の判断を仰ぐようにしましょう。