ランニングにはお尻の筋肉を使うと良いと言われます。そのための動き作りもたくさん紹介されていますが、一方で、ランニングを始めてからお尻が痛いと訴えるランナーもいます。

今回はランニングによるお尻の痛みを考えてみます。


1.お尻の筋肉には何があって、マラソンでどう使われているの?

私たちはお尻を一つの塊のように感じていますが、実は非常に多くの筋肉で構成されています。

有名な筋肉としては大殿筋と中殿筋があります。大殿筋は主に脚を後ろに引く筋肉、中殿筋は脚を横に開く筋肉です。

マラソンで言えば、大殿筋は地面を押して体を前に持っていくのに大切な役割を担っています。

一方で中殿筋は、前に進むマラソンでは脚を横に開く必要はありません。

その代わり、片足で着地したときに体が横へブレてしまわないように、真っ直ぐ支える働きを担っています。


2.マラソンでなぜお尻が痛くなるの?

この2つの筋肉のうち、お尻が痛い原因は主に中殿筋にある場合が多いようです。

例えばマラソンレースの後半や筋力の弱い女性ランナーを見ていると、上半身を左右に揺らしている人や、お尻が左右に振れている人をよく見かけます。

これは中殿筋の筋力が弱いことが原因です。本来は中殿筋がしっかり支えるところなのですが、筋力が弱くて支えられないので、倒れないように上半身やお尻の位置をずらして、バランスを取っているのです。




そのため、中殿筋には一歩ずつ無理な負担がかかっていることになります。そうした負担が蓄積されていくと、炎症が起きて慢性的な痛みにつながることがあります。


3.お尻の痛みの解消法

お尻が痛いと感じても、軽い炎症であれば、様子を見ながらジョギングなど軽い練習を続けることは可能でしょう。

炎症が軽いかどうかの目安は、走っているうちに痛みが気にならなくなるかどうかです。その程度の痛みであれば、練習後に必ずアイシングとマッサージを行うことで対処しましょう。

アイシングはまだしも、体の後ろのほうにあるお尻をマッサージするのは難しいと思うかもしれません。

ですが、テニスボールがあれば簡単に行えます。床にテニスボールを置いてその上に仰向けや横向きになって寝そべり、お尻にグリグリ押し当てれば自分でマッサージを行えます。

お尻は大きな場所ですので、体の後ろから横にかけて、広い範囲にかけて行いましょう。ランニングでお尻が痛くなるという話はそれほど多くはありません。

ランニング障害と言えば、たいていは膝やふくらはぎに集中しています。ですがそれだけに、自分だけではもちろん、周囲のランナー仲間などに聞いても、お尻が痛い原因を見つけるのはなかなか難しいと思います。

ここでご紹介したようなセルフケアで痛みが解消しないときは、ひどくなる前に医療機関も受診しましょう。