ランニング障害の中でも、膝の痛みはとてもよく見られる症状です。最も多いのは膝の外側ですが、内側に痛みを感じる人もいます。今回はこの膝の内側の痛みを取り上げます。


1.膝の内側の痛みはなぜ起きる?

膝の内側には縫工筋、薄筋、半腱様筋といった、膝を曲げる筋肉が多く通っています。これらはそれぞれ骨盤から始まって、脛の骨である脛骨という骨の内側に付いています。

その時の形がガチョウの足のような形をしていることから、この付着部は鵞足と呼ばれています。また、膝の内側は、触ると骨が出っ張っていることが分かると思います。

膝の外側の痛みである腸脛靭帯炎の項でも同じメカニズムをお話していますが、ランニングをしているとどうしても膝の曲げ伸ばしが繰り返されて、この骨の出っ張りと鵞足を構成する筋が擦れ合い、炎症を起こしてしまうことがあります。

こうして痛みが起きる障害を、鵞足炎と言います。


2.痛みを感じたらまず行うこと

他の障害でも同じことですが、ランニング中に痛みを感じたら、まずはそれ以上の練習は中断しましょう。

通常、軽い障害であれば走り始めに痛みを感じるものの、運動をしていると次第に痛みを感じなくなるのが一般的です。

ランニングの最中に痛みを感じるというのは、それだけ炎症が進んでいる証拠と捉えることもできます。




マラソン大会のレース中ではどうしても最後まで走り続けたくなると思いますが、無理をすると悪化させてしまうこともあるので気を付けましょう。

ランニングを中断したら、次はアイシングをして熱を速やかに取り除くことが大切です。

熱を持ったままだと炎症は広がっていきます。氷やアイスパックを使って、15分ほどアイシングをしましょう。


3.自分でできる解消法

また自分でできる解消法としてはマッサージやストレッチも有効です。

先ほどお話した通り鵞足を構成する筋は一つではないので、それぞれ筋の通り道に沿って行いましょう。縫工筋と薄筋は太ももの内側から膝の内側にかけて通っています。

また半腱様筋はハムストリングスと言われる筋肉の一部ですので、太ももの裏から膝の内側に向かって走行しています。

ケアをするときは膝の内側が痛いからと言ってその付近だけに注目するのではなく、このように太ももの内側、裏側を意識して行うようにしてください。

最期に、炎症が引いてまた練習を再開するときは、できればシューズを新しく取り換えるようにしましょう。

故障をするときは、シューズが摩耗していて衝撃を吸収し切れなくなっていることがよくあります。

一つの目安ですが、マラソンシューズは通常、500~600㎞ほど走ると機能が失われると言われています。

練習再開時は筋力が落ちていることも多いので、新しいシューズで足を保護しながら練習を再スタートしていきましょう。