ランニングという動作には、どうしても膝の曲げ伸ばしを伴います。そのため膝に負担がかかり、痛みに悩まされるランナーは多いものです。その中でも、今回は特に膝の外側の痛みについて考えたいと思います。


1.膝の外側の痛みはなぜ起きる?

膝の外側には、腸脛靭帯という組織があります。これは太ももの外側から膝の外側にかけて通っているもので、お皿の下にくっ付いています。

膝の横は骨が出っ張っていると思いますが、ランニング中に膝を曲げ伸ばしすると、腸脛靭帯がこの骨の出っ張りと擦れあって、炎症を起こすことがあります。

そうして痛みが起きる障害を、専門的には腸脛靭帯炎といいます。


2.膝の外側の痛みはどんな症状なの?

腸脛靭帯炎は、初期の頃は時折ピリッとするような違和感を覚える程度の、軽い症状から始まります。

ですが、この状態を放置してさらに練習を続けると、だんだん痛みが強くなってきて、最終的には床に足を付けることができない程の痛みにまでなってしまうこともあります。

また痛みの場所は膝の外側に多く見られますが、腸脛靭帯の走行に沿って点在することもあります。

有名な例では、女子マラソンの元世界記録保持者で現在はスポーツキャスターなどとしても活躍されている高橋尚子さんも、かつて、1999年にセビリアで行われた世界選手権を、腸脛靭帯炎で欠場することになりました。




このようにトップレベルのマラソン選手でも悩まされることのある障害ですので、無理をすることは禁物です。


3.自分でできる、膝の外側の痛みの解消法

まずランニングの最中に痛みを感じたら、その日の練習はできれば途中で中断し、なるべく早めにアイシングを行って熱をサッと取るように努めましょう。

氷やアイスパックを使うのが効果的ですが、そうしたものが無い場合は冷水を膝にかけるだけでも効果はあります。

またセルフケアとしてはよくマッサージやストレッチが挙げられます。ただし、腸脛靭帯が太ももの外側から膝の外側にかけて走行しているからといってその部分だけ行っていても、あまり効果がありません。

実は腸脛靭帯は、上のほうで大殿筋、中殿筋といったお尻の筋肉や、大腿筋膜張筋といった腰の前面やや外側の筋肉と連結しています。ですので、腸脛靭帯だけではなく、お尻や腰周りもケアしてあげることが大切です。

さらに、腸脛靭帯炎はO脚の人に多い傾向もあります。このような場合、少し費用はかかりますが、シューズにインソールを入れて骨格のアライメントを整えるのも有効です。

より根本的に予防したいという場合は、試してみるのもよいでしょう。