腰痛というと、中高年の老化現象というイメージがないでしょうか。しかし腰痛は若者にも頻繁に起きる障害です。

また普段から運動に取り組んでいるはずのランナーにも、腰痛に苦しむ人は意外に多いのが現状です。


1.ランニングと腰痛の関係

ランニングによる故障というと足や膝を思い浮かべる人が多いと思いますが、腰痛に悩まされているランナーも意外に多くいます。

腰は歩いている時はもちろん、座っていても立っていても常に負担がかかっています。それがランニングとなると、歩行よりも大きな衝撃が腰にかかってきます。

特に初心者がマラソンを目標にして急に練習を始めたときなど、すでに負担がかかっていた腰にさらに負荷がかかって、腰痛を生じることがあります。


2.腰痛にまつわる私たちの身体の構造

ここで私たちの身体の構造を考えてみましょう。私たちの身体には首から腰まで、背骨が通っています。背骨は正確には脊柱といい、脊柱は椎骨という複数の骨が連なってできています。

この椎骨と椎骨の間には椎間板というゼリーのような組織があり、骨が直接ぶつからないようにクッションの役割を果たしてくれています。

また脊柱は身体を降りていって骨盤に連結しています。骨盤は上半身と下半身をつなぐ要になっている部分です。この骨盤に、腹筋群や背筋群など、姿勢を支える筋肉がたくさん付着しています。


3.腰痛の原因①~腰部筋挫傷

腰に外から強い力が加わって筋肉を損傷することを、広く腰部筋挫傷と言います。イメージとしては、いわゆる「ぎっくり腰」と言われるものです。




例として、重い物を持ち上げた時などに腰に激痛が走ることが挙げられます。しかし何でもないときに急に痛みが生じて、それ以降動きが制限されるほどの痛みが持続することもあります。


4.腰痛の原因②~腰椎変性疾患

また椎間板が椎骨の間から飛び出してきてしまうこともあります。よく聞くヘルニアがこれに当たります。ヘルニアになると、飛び出した椎間板が神経を圧迫して強い痛みを生じます。

またヘルニアまで行かなくても、椎間板のクッション性が失われた腰椎椎間板症、あるいは神経が入っている空間が狭くなる腰部脊柱管狭窄症など、腰痛を生じさせる疾患は様々です。

さらには、なぜ痛みが生じているのか、明確な原因が分からない腰痛も実はたくさんあります。


5.腰痛の解消法

腰痛が生じたら、まずランニングは中止します。発症後数日間はアイシングに努めてください。日常生活では痛みが生じる姿勢を避け、できるだけ横になったりして腰に負担がかからないように工夫しましょう。

そして医療機関を受診して医師の診断を受け、適切なアドバイスを受けることが必要です。場合により、筋力トレーニングや姿勢矯正などのリハビリに進むことも良くあります。

実際には、腰痛は練習のし過ぎなどとは違う、生活習慣に遠因があることが十分考えられます。

「休んでいれば治る」などと安易に考えず、マラソンとは一度切り離すくらいの気持ちで、早めに専門機関を受診しましょう。